「会社の常識は社会の非常識」と言われるように、
何故か企業は社会と隔たった世界を築いてしまいます。
企業だけではありません。役所や大学、或いは地域社会や家族だってそうです。
何らかの「共同体」が成立するには、
共同体のウチとソトの違いを明確にするための境界線を引く必要があります。
しかし、ひとたび境界線が引かれてしまうと、
ウチとソトの間にズレが生じていくようになります。
このズレを自覚しているうちはいいですが、
ズレがズレとして認識されなくなると危険です。
ソーシャルメディアの普及により、
生活者の発言力が増すと共に、情報の拡散スピードが爆発的に早まった現在、
この認識のズレは時に致命的です。
既に中東で証明されたように、独裁政権を倒してしまうほどの力が
ソーシャルメディアにはあります。
あまりに社会の常識とズレた企業は、
社会にその存続が許されない時代になっているのです。
ズレをなくすことはできないし、その必要もないのでしょう。
(ズレはユニークさの証でもあるからです)
しかし、ズレをズレとしてきちんと認識し続けることは大切です。
そのためには、境界線の外側で起きていることを、
リアルタイムに感じ取れなければいけません。
今、企業には、これまで以上に「社会を感じる力」を高めることが問われている
と言えるでしょう。
社会を感じる力。これを私達はSocial Senseと名づけました。
そして、この力を高めるための行為(活動)を総称して、
Social Sensingと呼ぶこととしました。
ではSocial Sensingとは具体的にはどのようなものなのか。
その方法にはどんなものがあって、どう役立つものなのか。
それを明らかにしていくのがこのウェブサイトの役割です。
(写真:シブヤ大学提供)